ふとこのブログの存在を思い出して何気なくログを見てみたら、未だにアクセスが少しあるようなのでその後について書いてみようと思う。
その後、私は相変わらず好調になったり寝込んだりの繰り返しで、完治には至っていない(そもそも「完治しないよ」と医師に言われているが)。
2018年は年末に自殺未遂を起こし、人生初の入院を果たした。
入院中は最初の2日ぐらいは激うつでぐったりしていたけれども、回復してからは「掃除も洗濯もしなくていいし、食事はヘルシーな料理が勝手に3食出てくる。ここは楽園では?」と呑気に過ごした。
そのいっぽう、医師や看護師、作業療法士と触れ合うこと「自分に社会性がある」ことを思い出す。
それまで、人と関わるという感覚そのものを忘れていた。
結婚してからずっと無職で、引っ越したため知り合いもおらず、医師と美容師とスーパーなどの店員以外の人間と接触する機会がなかったからだ。
退院後は「自殺防止のためにも、もっと話し相手が必要」と実感し、訪問看護を受けることにした。
看護師たちと触れ合うにつれ、社会性もだいぶ回復したと思う。
たとえば、私はいつもボロボロの部屋着を着ていたが、看護師が訪問してくれるようになってからは服装に気をつけるようになった。
訪問看護を受ける前は「知り合いもいなし、寝込むから働けないし、誰にも会わないから服なんて適当でいい」と思って実際にそうしていた。
でも「人が家に来る」→「服装に気をつける」→「整った服を着ていると心地よいことに気づく」と意識が変化していき、最終的には「人と会わない日でも、外に出ない日でも服装に気をつけて気に入った服を着る」ようになった。これにより自尊心が増した。
他にもずっとサボっていたメイクを普段からするようになったり、ダイエットして1年で20キロ痩せたり(!)、この2年でだいぶ変化したと自分でもしみじみ思う。
また、寝込むのが上手になった。
「不調時には素直に寝込むようになった」と言ったほうがわかりやすいだろうか。
それまでは、うつを克服しようと真夏でもウォーキングに励んだり、しんどい時でもカフェイン等で気合を入れて家事をしていた。
そしてその結果、残り少ない体力・気力を使い果たして強いうつ状態に陥っていた。
「うつを克服しようとするのをやめた」と言い換えてもいいかも知れない。
不調な時は何をやってもダメ。むしろ、不調に任せて寝込んだほうが(何もしないほうが)却って早く回復する。
このことに気づいてからは、うつによる被害を最小限に抑えられるようになった。具体的には、エネルギー切れで寝込んでもせいぜい2日で回復できるようになった。
上手に寝込むのに慣れてきてからは、自分が「寝込みやすい性質の人間」であることを受け入れられるようになってきた。
それまでは「自分はもっと活動できる人間だ、すぐにうつ状態になる自分は本当の自分じゃない」と抗ってきた。抗ってはうつに負けて長期間寝込んできた。そして回復してはまた抗って……の繰り返し。
私は重度の近眼で、メガネやコンタクトがないと生活できない。
うつに抗って生きるということは、重度の近眼なのにメガネなしで生活しようとすることなのかも知れないと、ある日考えた。
メガネなしで生活するのは不可能ではないかもしれない。でも、メガネをかけたほうがよっぽどラクだし効率的だ。
服薬すること、寝込むこと。これらは、近眼の私がメガネをかけることと同じようなことなのかも知れない。
以上、近況報告でした。
うつを始め心身の疾病に苦しんでいる方々の回復を願います。