私は双極性障害Ⅱ型および反復性うつ病性障害と診断されている。医師によると、どちらとも取れる微妙なラインらしい。
私の病状は、2021年の12月から比較的落ち着いている。
しかし、2023年に入ってから、軽躁状態が続いていた。
軽躁状態は3月にいったん落ち着いたが、その後、再び軽躁が再発して体調が悪化。3月末にうつ状態に陥り、4月には回復している。
「3月に体調が悪くなり4月に回復した」時までの記録を、以下に記しておく。
目次
2023年3月から4月までの体調
3月上旬は安定
「集中しすぎる活動」と「集中しすぎない活動」のバランスに気をつけながら生活するようにしたことで、私は1月からの軽躁状態を脱した。
そのまま、安定して3月上旬を過ごす。
活動しすぎることもなく、気分が落ち込むこともない。
家事と趣味をほどほどに行い、運動もし、とても落ち着いていた。
1月~2月までの不安定さは全く見られず、このまま安定した日が続くのだと楽観的に構えていた。
3月中旬からイライラと高揚感が発生
しかし、3月中旬頃から急にイライラするようになった。
このイライラは生理前に見られる症状とよく似ていた。
また、イライラが発生する前日から足がひどくむくむようになった。
そのため、このイライラはPMS(生理前の不快症状)ではないかと私は考えた。
しかし、生理は来ない。
1月にもPMSのような症状が出ていたのだが、その時も生理は来ていない。
今回も「生理前っぽい症状が出ているのに生理が来ない」パターンかなと考えつつ、イライラに翻弄される日々を送った。
リスパダールを3錠に戻す
イライラは治まる気配を見せない。
3月中旬、私は医師の指示で「2錠、3錠、2錠、3錠」と1日ごとに交互に飲んでいた就寝時のリスパダールの量を、3錠固定に戻した。
医師に「不調になったら(また軽躁っぽくなったら)リスパダールの量を3錠固定に戻して」と指示されていたからだ。
リスパダールを3錠固定に戻したことにより、軽躁が落ち着いて、またしばらくは安定した。
(私の場合、リスパダールは軽躁の予防・治療として処方されている)
映画鑑賞後、軽躁が加速する(軽躁でなく躁になった?)
しかし3月下旬に映画館で映画鑑賞をしてから、また軽躁状態になってしまった。
この時に観た映画は情報量が非常に多く、観賞直後、私は疲労困憊になった。
いっぽうで内容は面白かったから、気分はとても高揚した。
高揚のあまり映画についてのエッセイを1本、2日間で書き上げてしまった。
このことを後に訪問看護師に語ったら「軽躁状態というよりは躁状態なのでは」と心配された。
また、映画を観た4日後には気分が上がりすぎて「頭がグルグル回る」感覚に陥った。
「頭がグルグル回る」というのは目が回っているわけではなく、思考が高速で回転して、脳の中がぐちゃぐちゃになっているような感覚のことである。
この状態はかなり危険な状態だと、病院職員の夫に指摘されている。
強い怒りが発生→頓服のレボトミンを服薬
「頭がグルグル回って」から3日後、私は夫と花見に出かけた。
車で片道30分ほどのちょっとした遠出で、良い気分転換になった……と花見中は思っていた。
ところが花見から帰宅後、謎の強い「怒り」が発生。
唐突に発生した怒りの感情に任せて、私は暴言を吐きながら床を踏みつけた。
何に対する怒りなのかさっぱり分からない。怒りを感じるような出来事など、この日は全くなかった。
私は毎年9月になると軽躁が悪化し、同じように理由もなく怒り狂うことがあるのだが、その時の怒り方と似ていた。
怒りは治まる気配がなく、私は頓服のレボトミンを服薬。
やがてレボトミンが効き、気持ちは穏やかになった。代わりに腰と子宮が交互に強く痛むようになった。
希死念慮が発生
腰と子宮が痛むことから、私は「やはりこれまでの不調は生理由来のものだったのだろうか?」と考えた。同時に、うっすらと希死念慮が出てくる。
「死にたい」というのは経験上、ほぼ間違いなくただの「症状」である。
死にたいような理由があるから死にたいのではない。「死にたい」という「症状」が先に発生して、理由を後からこじつけているのである。少なくとも、私の場合はそうである。
だから私の場合、「死にたい」について深く考えても事態は解決しない。
希死念慮が発生したら、頓服を飲んでとにかく休むのが回復への近道である。
この時もそう考え、さっさと眠ることを選択。20時半に眠剤(就寝薬)を飲み、すぐに布団へ入って眠りに就いた。
希死念慮が継続(混合状態だった?)
翌朝は「憂鬱、何もかもが嫌だ、永遠に眠っていたい」という気持ちが出てなかなか起きられなかった。
無理やり起きたあとは架空の嫌なことを想像し、イライラして家具を蹴飛ばしそうになる衝動が出た。
憂鬱だと感じた矢先にイライラしているので、混合状態だったのかも知れない。
この日はイライラしながらも、1日中どこか気持ちがしんどかった。
ちょうど訪問看護の日でもあったのだが、看護師には「表情が相当疲れている」と指摘された。
訪問看護が終了したあとも「しんどいのにイライラ」が続き、夕食後は思考がどんどんネガティブになっていく。
気付いたら自殺のことを繰り返し考えるようになっていた。
これは危険だと判断し、ようやく、頓服のレボトミンを服薬する。
服薬直後、ちょうど夫が仕事から帰宅したのだが、夫には「レボトミンを飲むタイミングが遅い」と指摘された。私もそう思う。
頓服を飲むのは遅れてしまったが、今日も早めに休んだほうがいいだろうと判断。
21時前に眠剤(就寝薬)を飲み、すぐに就寝して入眠した。
2日間の休養で回復
翌朝の4月1日は目が覚めてすぐに「回復した」と感じた。
夫も私を見て「昨日よりだいぶ顔色が良い」と告げる。
希死念慮は消えたし憂鬱さもない。気分が上がっている(軽躁になっている)という感じもしない。
回復できた理由は「よく休んだ(眠った)」ことだろう。
この日はまた軽躁やうつになってしまわぬよう、強い刺激を受けたり、疲弊してしまわないよう、非常に気をつけて過ごした。
具体的には、休息を取る時間を以前よりもっと増やすようにした。
どういうふうに増やしたかというと、「25分活動したら15分休憩を取る」ようにし、「作業が一段落ついたら25分経っていなくても10分休憩する」といった具合だ。
この日以降、この記事を書いている現在まで、私は軽躁にもうつにもならずに穏やかに過ごせている。
うまく活動をセーブして休息とのバランスよく生活できていると思うので、この状態を維持したい。
今回の不調について
今回のうつの原因
今回のうつは「軽躁の時に強い刺激を受け(=映画鑑賞)気分が高揚しすぎて活動しすぎ(=エッセイを2日で書き上げた)、エネルギーが尽きて(=花見でダメ押し)うつになった」という印象が強い。
私の場合、「軽躁時に活動しすぎる」ことがうつの引き金になっていることが多いからだ。
軽躁と生理が関係あるのかは不明である。婦人科に通院して漢方薬(生理不順とPMSの薬)を処方されているし、こちらはこれ以上対策のしようがないように感じている。
軽躁状態を自覚できるようになったのは大きい
今回の「軽躁→混合→うつ→回復」という流れについて、医師には「よく(寛解状態まで)戻ってこれましたね」と感心(?)された。
戻ってこれたのは、薬を調整し早めにたくさん休んだのがいちばんの要因だろう。
他にも、最近の私は軽躁状態時に「今は軽躁状態だ」いう自覚ができていることが大きいと思う。自覚があるから、この程度で済んだと感じてる。
今回は映画鑑賞で軽躁を悪化させてしまったが、これは予想外の出来事だったため仕方がない。映画を観たことでこんなに高揚するとは思ってもいなかった。
映画を一切、観てはいけないというのも酷な話だ。
映画などの娯楽とはうまく付き合って行く方法を模索していきたい。
うつの時は「とにかく休む(頓服を飲んで眠る)」のが重要
うつになった時に「さっさと休む」ようにしているのは良い傾向だと思う。
私の場合、経験上、うつになったら何かしようともがくのではなく、何もせずに休む(眠る)のが結局は回復への近道になるということが多い。
今回はうつ時の頓服の服薬のタイミングが遅れてしまったが、次にうつになることがあったら迅速に服薬するようにしたい。うつの時は判断力が落ちるから、なかなか難しいとは思うけれども。
まとめ
うつを悪化させずに済んだのだから、今後も、「活動しすぎる→軽躁状態になる→もっと活動しすぎる→エネルギーが尽きる→うつになる」というパターンを回避するよう、よく注意して過ごそうと思う。
双極性障害の寛解状態を維持するには、強い意志力が必要だと医師に聞いたことがある。
個人的には寛解状態から軽躁状態への移行時と、軽躁状態時の過活動をセーブするのがいちばん難しい。
これらの状態の時は「『これ以上は活動しすぎ』と頭では分かっているのに、意識が勝手に暴走して活動を止められない」ような状態に陥るからだ。
当面は、軽躁になりやすいと分かっている行動については、
- タイマーをセットして行動し、予め決めた時間をオーバーして活動しないように気をつける
- 休憩は多すぎるぐらいたくさん取る
私の場合、軽躁が続いた後には、必ずうつになる。
軽躁の予防はうつの予防にもなるので、今後もよく気をつけていきたい。
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