私は双極性障害Ⅱ型および反復性うつ病性障害と診断されている。医師によると、どちらとも取れる微妙なラインらしい。
私の病状は、2021年の12月から比較的落ち着いている。
しかし、2023年の8月下旬から9月下旬までの1ヶ月間は軽躁が悪化。
躁でエネルギーを使い果たしてうつに移行した日が2日間発生した。
この記事では今後の体調管理のため、この時期の体調を記録・確認する。
あくまで私自身のために作成した記事だが、同病の方の参考になるかも知れないのでシェアしようと思う。
目次
5月から8月上旬までの体調 安定して過ごす
4月に1日だけうつ状態になったあと、私の体調は安定していた。
筋トレやウォーキング、踏み台昇降といった運動に励み、家事もこなし、趣味も楽しむ。そんな日々だった。
6月は運動のしすぎで膝や腰を傷めてしまったが、それによって気分がふさぎ込むこともなく、将棋など足腰を使わない娯楽を楽しんでいた。
7月も同様。傷めた体を気遣いながら、できる範囲で家事やり趣味も楽しんだ。
異変が起きたのは8月22日からだった。
8月下旬から9月上旬までの体調 軽躁状態になる
8月22日 退屈を感じるようになる
8月22日、私は突然、退屈を感じるようになった。これまで充実した日々を送っていたのに、である。
夫に話したら「君がつまらないと言いだす時は上がっている(軽躁になっている)時。上がっているから物凄く楽しいことをやろうとする」とのこと。充分気をつけるようにと忠告された。
夏から秋に変わる頃は軽躁になる時期
私は毎年、季節が夏から秋に変わる頃に軽躁になることが多い。
そして軽躁で活動しすぎてエネルギーを使い果たし、うつになる。
そういうパターンを毎年、何年も繰り返してきた。
なので今回もその時期が来たのかも知れないとなんとなく思ったが、そんなに危機感は覚えなかった。
というのも、去年の今頃も軽躁状態にはなったが「軽躁でエネルギーを使い果たしてうつになって寝込む」ことは無かったからである。
急速に上がり続ける(軽躁状態が続く)
しかし、翌日からは酷かった。突然、とんでもなく上がった(軽躁状態になった)。
8月23日から9月3日までの約10日間の、軽躁状態になった私の行動を以下に列挙する。
- 疲れ切っているのに取り憑かれたように将棋を指しまくり、疲れてしんどいと感じているのに将棋に関する活動をやめられない
- かと思ったら将棋の教本をネットで何時間もかけて探し、購入
- 今すぐ必要なわけではないし前から欲しかったわけでもないのに、財布機能付きスマホショルダーを楽天やAmazonで6時間もかけて探し、購入
- Amazonで室内用サンダルを2時間探して購入
- Amazonから届いた財布機能付きスマホショルダーの使い勝手を試そうと、自宅に届いた直後に外へ飛び出す
- Amazonから届いた室内用サンダルの長文レビューをサンダルが届いた直後に書き上げ、Amazonに投稿
- Amazonから届いた室内用サンダルの素晴らしさを絶え間なく夫に語り続ける
- 同じメーカーの外履き用サンダルが衝動的に欲しくなり、1日中Amazonで探して購入
- Amazonから外履き用サンダルが届いた直後、届いたサンダルを履いて外に飛び出す
- 私が買ったサンダルをけなす人がいることをネットで知り、酷くイライラする
- 新しいブログのアイデアが浮かび、異様に高揚する
10日間、ずっとこんな状態だった。
文字に書き出すと大したことないように見えるかも知れないが、この10日間で買った将棋教本とスマホショルダーとサンダル2足は全くの衝動買いである。
ふと「こんなものがあったら便利だろうな」と思いついたものを、すぐにネットで何時間もかけて調べて探し出して、即購入しているのである。
お金に余裕があるのなら問題ないかも知れないが、私はこの買い物で小遣いの殆どを使い果たした。
普段そのようなお金の使い方をすることは滅多にないから、やはりこの時期は上がっていた(軽躁状態だった)と思われる。
気分も高揚し、異様にハイテンションだった。
8月30日の受診日には医師にも「上がっている」と判断され、躁を抑えるために服薬しているリスパダールの量が増量となった。
9月4日から17日までの体調 うつ状態になる
9月4日、軽躁で活動しすぎた疲れが出る
こうして10日間、活動しまくった私だが、9月4日は昼過ぎまで寝て過ごした。この10日間の疲れが出たのだと思う。
「疲れて眠たい」という身体症状が出ていたのだからとことん休むべきだったのだが、午後に楽天とAmazonを閲覧したことでまた気分が上がって(軽躁っぽくなって)しまう。
この10日間の「楽天とAmazonの見過ぎ・買い物のし過ぎ」で軽躁が加速しているという自覚はあったので、この時はすぐに意識をよそにそらし、上がらないよう気をつけた。具体的にはゲームをプレイして、意識を買い物からゲームにそらした。
そうして、どうにか自分の衝動を押さえつけながら、だましだまし9月7日まで過ごした。
9月8日前半 疲れているのに活動・また衝動買い
9月8日は訪問看護の日だったのが、この日、訪問看護師に「顔がかなり疲れているから、何かするならよく休んでからにして」とアドバイスを受けた。
そのため、訪問看護終了後は1時間ほど休んだ。
その後「もう大丈夫だろう」と、副業のための作業をする。
実際は1時間の休憩ぐらいでは回復しきっていなかったと思われるが、この時の私は疲れを自覚できていなかった。
副業の作業後、私は楽天でスマホポーチのレビューを読んだ。
欲しくなり、また衝動買いをしてしまう。
9月8日後半 うつ状態になる
スマホポーチを購入後、You Tubeで動画を見ようとしたが、どの動画のサムネを見ても興味がわかない。動画の見出しを読むとしんどいとすら感じる。
こんなことは滅多に無い。おかしいなと思いつつ、スマホをいじる。
するとだんだん憂鬱になってきた。
何が憂鬱なのか分からない。そのうち「死にたい」という言葉が2回、頭の中に浮かんだ。
死にたいという気持ちはなかったが、ただ言葉だけが浮かぶ。
これはまずいと思い、早めに頓服のレボトミンを飲んだほうがいいと判断。服薬する。
服薬後はぐったりと過ごした。
帰宅した夫に自分の状態を報告した際、声が腹から出ない感覚があり、声を出して会話するのがしんどかった。
次第に「今日スマホポーチを買ったのは失敗だった」と憂鬱になり、また「死にたい」という言葉が浮かんだ。
そして漠然とした恐怖感が出てくる。何が怖いのか分からないが、ただただ怖い。
こんな時は早く寝て、よく休んだほうがいい。
私は21時に眠剤(睡眠薬・就寝薬)を飲み、就寝した。
9月9日 うつっぽさと気分の上昇が混在(軽い混合状態だった?)
翌日は憂鬱になったり死にたいという言葉が浮かぶことはなかったが、午前中ずっと胸の辺りに嫌な感覚があり、胸が支えるような、ドキドキするような感じがあった。
朝食を食べても味がせず、「ああ、うつなんだな」と思ったのを覚えている。
経験上、うつになったらとにかく休む(寝る)のが一番良いと知っているので、ひたすら横になって回復に努めた。
しかしそんな状態なのに、しばらく休んだら「楽しいことをしたい」という欲求が出てきた。
この状態で「楽しいこと」をしたら、エネルギーを使い切ってうつが悪化するのは目に見えている。
私は活動したいという衝動をどうにか抑え込み、じっと耐えた。
やがて胸が支えるような嫌な感覚はいつの間にか無くなり、うつっぽさも消えた。
しかしここですぐに積極的に活動したら、エネルギーを再び使い果たしてまたうつになるだろう。
うつっぽさが消えた後、この日は上がるような活動をしないように気を付けつつ、動画や将棋中継を眺めてぼんやりと過ごした。
9月10日~16日 再び気分が高揚・上がりすぎないよう活動を抑え込む
翌日は再び、気分が高揚した。
しかし、前日に「軽躁で活動しすぎてエネルギーが尽きてうつになる」という経験をしたばかりなので、また同じことを繰り返さないよう非常に気をつけた。
上がるような行動をするのは避け、上がらない行動を率先して行うよう努める。
それでも気分は高揚していたし、パーッと何か派手な行動をしたい欲求が常にあった。
「危ないな」とは思っていたが、何度抑え込んでも気分の高揚はどうしても繰り返し発生した。
こんな状態が約1週間続いた。
9月17日「上がる」行動をしてしまい、エネルギーを使い果たして再びうつになる
1週間、上がった気分をどうにか抑え込んでいた私だが、17日、上がるような行動をしてしまう。
Amazonや楽天を見るのがいちばん上がると分かっていたのに、これらのサイトを見てしまったのだ。
スマホカバーを少しだけ見るつもりだったのに、これを探すのがやめられなくなる。
そして何時間もかけてスマホカバーをネットで探し続け、良いと思ったものを見つけてすぐに購入してしまった。
買い物で気分が高揚しているという自覚はあった。なので、ゲームをプレイして意識を買い物からそらそうと試みた。
しかしゲームをプレイしても、操作が上手くできない。頭が回らず、自分が何をしているのか分からない。
これは、自覚している以上に疲れているということだろう。そう判断した私はゲームを中止し、寝室で休むことにする。
すると今度は、わーっと何かを買いまくりたいような欲求がしばしば発生するようになった。
同時に、強い苛立ちも感じた。
躁っぽい症状だと思いつつしばらく様子を見る。
いったん落ち着いたと思ったが強い苛立ちがまた発生したので、頓服のレボトミンを服薬した。
苛立ちは治まったが、今度は悲しいような心細いような感覚が出てきた。
そして「死にたい」という言葉が自然と頭に浮かんだ。死にたいという気持ちはなかったが、うつっぽいなと感じた。
頓服は既に飲んでいるので、そのまま静かに過ごしてじっと耐えた。
夕食後には夫と普通に談笑できた。早めに頓服を飲んだので、うつの悪化を防げたらしい。
この日も、8日にうつになった時と同じように早めに寝て、回復に努めた。
9月22日 軽躁状態が治まる
9月18日~9月22日 上がらないよう気をつけて過ごす
翌日はうつっぽさは消えていたが、また楽天を見てしまい上がってしまう。
この時は上がり始めたと感じてすぐに楽天を見るのをやめ、ゲームで意識をそらしたので気分をフラットにすることができた。
その後は、上がるような活動をしないように気を配りつつ、22日まで過ごした。
9月22日 気分がスッと落ち着く
9月22日になったら突然、気分がスッと落ち着いた。
楽天やAmazonを閲覧しても、気持ちが高ぶらない。すぐに何かを買おうという気持ちが全く出ない。
娯楽を冷静に楽しめるというか、変な高揚の仕方をしない。
かと言ってうつっぽくもない。
気分は上がりすぎず下がりすぎず、極めて安定している。
言葉で表現するのは非常に難しいが、憑き物が取れたような、そんな感覚が明確にあった。
9月27日の受診日にも医師に「軽躁を抜けた」と認められている。
9月22日は急に涼しくなり「夏から秋に完全に変わった」と思えた日だった。
季節が完全に変わったことで、私の季節性の軽躁も終了したのだろう。
22日以降、この記事を書いている現在まで、私はうつでも軽躁でもないフラットな状態を維持している。
繰り返しになるが、毎年、夏から秋に変わる時期に訪れる軽躁の時期を抜けたのだと考えている。
「この程度で済んだのは、上がっているという自覚があるから」と医師に指摘される(日記の有用性を認められる)
軽躁の自覚がうつの予防に有効
この1ヶ月の体調について、医師には「この程度で済んだのは、上がっている(軽躁状態になっている)と自覚できたから」と言われている。
自覚があるから、上がりすぎないようにどうにか抑え込められている。
上がりすぎないように抑え込められているから「上がって活動しすぎてエネルギーを使い果たしてうつになる」という状態になりにくい。うつになっても軽い症状で済んでいるということらしい。
日記の有用性を認められる
そして「上がっているのを自覚できているのは、日記を書いているからだろう」とも言われた。
私は体調管理のために毎日詳細に日記を書き、毎日読み返している。
日記というよりは「生活記録」と言ったほうが正確かも知れない。
何時に起きて何をどのくらいの時間活動して、どのくらい休んで何時に寝て……と言ったことを詳細に書き記しているのである。
この日記は医師にも読んでもらっており、私の体調や状態、処方の判断材料にしてもらっている。
まとめ
私は「毎年、夏から秋に変わる頃に軽躁状態になり、活動しすぎてエネルギーが尽きてうつになる」というパターンを毎年繰り返していると文中で述べた。
2023年もやっぱりその通りになった。
この時期に軽躁状態になる原理は不明である。
不明であるが、因果関係ははっきりしている。長年書き溜めた日記を読めば明らかである。理由は分からないがとにかくこの時期は軽躁になるのである。
そして「上がりすぎている」と気づいてから行動に気をつけたこと、うつっぽくなった時にすぐに休んだことでうつの悪化を防ぐことができた。
「上がりすぎていると気づけたのは日記のおかげである」と医師に認められたのも良かった。私の体調管理法は間違っていなかったと安心した。
今後も日記を書いては読み返し、体調管理に役立てたいと思う。
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